こちらは2018年の活動記録です

「登山学校・基本コース」
 第6回[第6コース/テーマ:登山のマナ−]
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第6回の参加者(保津峡駅でグループごとに撮影)

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左=ツツジ尾根を登る  右=黒門付近

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左=霧氷  右=表参道を下る

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桂川を見下ろす

 当初に予定していたコ−ス(二ノ瀬〜向山〜氷室〜京見峠〜千束)が、9月に上陸した台風21号によって大きな被害を受けた。通行できない箇所が生じたため、コースと月日を変更して実施する(12月9日。受講生49名・引率者14名)。
  本来は京都一周トレイルを歩くことで実習登山を実施してきたが、今回は受講生の希望も聞きつつ検討して「愛宕山ツツジ尾根を登り、表参道を下山する」とした。実施にあたっては、下山後に使う京都バスに一般乗客が多い場合、1台に全員が乗りきれないことが起きる。しかも、ダイヤが1時間に1便で、乗りきれなければ寒い中で長時間待たなければならない。また、参加者の体力や登山経験も様々であることを考慮する必要がある。そのため、三つのグル−プに分けて歩行距離を変え、清滝バス停に着く時間差で3便に分乗するよう計画した。
 午前9時に保津峡駅へ集合。登山計画書を全員に配布して、コ−スの説明後に班を分ける。第1グル−プ(1・2班)はツツジ尾根〜荒神峠を経て表参道との合流地点で昼食を摂って下山。第2グル−プ(3・4班)は表参道との合流地点 をさらに進み、花売り場と黒門の間の広場で昼食を摂って下山。第3グループ(5・6班)はさらにその先の神社社務所横の休憩所で昼食を摂って下山する。
  天気予報は曇りで予想最高気温7°C、降水確率20〜30%。曇天のもと保津峡駅を出発する。登山道取付で衣服調整し、準備していたストックは収納して急な傾斜に備えた。すっかり落葉したツツジの群落のガレた尾根をゆっくりと確実に歩みを進める。15分ほどで傾斜は緩やかになり、ここから読図をしながら 「今どこ・今ここ」を確認する実習を始めた。地図と実際の山容を見て判断するが、それぞれの疲れ具合も影響して「今どこ」は不確かになりがちであった。
  清滝から水尾への道と交差する荒神峠で、水分補給・衣類調整・トイレ休憩をとった。もしも体調不良者などが発生した時には、この「米買道」をエスケ−プル−トにすることを一時検討したが、下見の際に、すっかり荒れて長年使われていないような状況を確認したため、参加者の無事を祈るのみである。とくにアクシデントが無く幸いだった。
 荒神峠からの急な登り坂は、狭くて長いため脱落者が出ることも心配されたが、ここも慎重にゆっくり登った。つづれ折れの道が終ってようやく傾斜も緩やかになり、ホッとする雰囲気が漂う。前方に杉の巨木が倒れて横たわり、1m以上もあるような幹の中央が裂けている。表参道との合流点である。その手前の広場が第1グル−プの昼食場所だ。
 第1グル−プから「行ってらっしゃい」との声に送られて第2・3グル−プは表参道を登り、水尾分かれで休憩して水分と行動食を摂った。根から倒れた大木や修復されているが大きく崩れた参道を見ながら、台風21号の被災の大きさを改めて実感する。
  花売場の先の平坦な広場で昼食を摂る第2グル−プと別れた第3グル−プは愛宕神社社務所に向う。標高800m辺りから粉雪がちらつき始め、道は凍てついて滑りやすくなっていた。愛宕神社社務所の気温は-3.5°C、樹々の霧氷は曇天でも光を集めて輝いていた。そのためか、社務所に設置されている下見時には 使えたバイオトイレが「使用禁止」となっていた。第3グル−プは社務所近くの休憩小屋で昼食を摂ったのち、凍った道を慎重に歩き、事故なく下山した。下山路はガレた坂が長く続く、ストックの使用が頼りになるタフな道であった。
 乗車が心配された京都バスは臨時便が運行され、第1グル−プは予定された便で、第2・第3グル−プも予定より早い15時台の便に全員乗車できた。
  今回の登山計画は、実習登山で京都一周トレイル以外の山を初めて選定した。登山道の台風被害とその回復状況、受講生の体力などを配慮したコ−ス設定、清滝 バス停からのバスの分乗など課題が多かった。計画の取り掛かりから下山・解散までに費やした心身のエネルギ−は、通常の実習登山を実施する2回分に相当する印象を残した。(K.Y/T.H/K.O)
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