こちらは2016年の活動記録です

「登山学校・基本コース」
 第6回[第6コース/テーマ:山の自然を楽しむ]
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参加者のみなさん(昼の休憩地で)

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読図をしながら紅葉を愛でる(夜泣峠から向山の尾根で)

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左=タカノツメ  右=ネジキ

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盗人谷の倒木を越えて

 11月20日午前9時30分、叡電二ノ瀬 駅の出町柳方面行ホームに集合した。行楽シーズンまっただ中で、鞍馬行の電車は満員。二ノ瀬駅で降りる乗客もたいへん多かった。その混雑を避けるため、朝の全体の挨拶・説明、班分けは約200m西側の守谷神社・富士神社で行なう。各自でトイレや登山の準備をしたあと、実習生32名とスタッフ8名の総勢40名が移動した。
 朝の全体の会で、尾松校長から今回のテーマは「山の自然を楽しむ」。カエデ類・モミジ類・シラキ・タカノツメ・コシアブラなど、 赤・黄・オレンジ・ピンクの紅葉の美しさや自然の素晴らしさをよく見ること。昨晩からの雨で山の斜面が濡れている。木の根や落ち葉は滑りやすいこと。急坂や湿地では歩幅を小さくして体の重心を真ん中に置くことなど、歩行のポイントの説明を受けた。その後、班分けをして夜泣峠へ向けて出発した。
 歩き始めると真っ赤に紅葉したイロハモミジやヤマモミジに目を奪われる。山道は濡れた落ち葉に敷き詰められ、滑りやすく登りにくい。それでも峠に向けて少しずつゆっくり登っていくと、山の木々がクヌギやアベマキなどの高木の落葉樹に変わっていく。アベマキはコルクの代用品として、戦時中に植えられたこと。薪として伐られたあとはゴツゴツしたコブになり、「ヤマ親父」という別名があることなどを聞きながら峠に登っていく。
 夜泣峠に到着し、十字路の分岐を確認。歴史的ないわれを聞く。祠が高い位置に祀られており、長い年月の歴史ある峠道だと実感する。その後、全員でコンパスで進む方向を確認する。今回は道標の進むべき方向を示す面を紙で覆い、全員がしっかりと方向を考えられるように時間を取った。全員で考えたあとに覆った紙を取ると正解が分かり、 ちょっとしたクイズのようになって、楽しみながら進むべき方向を探した。
 向山で、校長より紅葉のしくみを聞く。日照と寒暖の差や空気の湿度などに影響されることを、目の前のそれぞれの木々を比較しながら見ると、その美しさとともにしくみにも感動した。そして、ここでもまたコンパスで進行方向の確 認をする。向山一帯では、タカノツメ・コシアブラ・ネジキ・ツツジなどの木々の葉が黄色やピンク色に染まっている。木によって紅葉に微妙な色の違いがあり、それを確認するのもまた楽しい。
 向山の尾根歩きから発電所への急な下りは滑りやすく転びやすい。足元に気をつけながら慎重に下りていく。
 山幸橋と十三石橋を確認して、府道61号を車に気をつけながら横断する。昼食場所のトレイル標識58は12時55分に到着。30分の昼食休憩を取り、紅葉をバックに記念撮影。
  昼休憩ののち盗人谷に向けて出発。以前からあった大きな倒木は通りやすくなっており、斜めに横たわる大木にも跨ぎやすいように取手が付けてある。全員無事 通過。盗人谷の二俣(分岐)を確認して、小峠への長い登り坂に取り付く。ここでも黄色や紅色の紅葉を見ながら登っていく。
 峠では方向を確認して氷室集落に向かう。氷室は人影がなく、静かなたたずまいの中を貯水池のある峠に向かう。希望者は横の城山山頂まで登り、三角点を確認する。
 京の街が見えやすくなった京見峠で展望を楽しみ、分岐から長坂に入る。急坂を一気に下って千束に到着した。ストレッチをして長く使った筋肉をゆっくり伸ばし、16時25分に解散する。
 今日はとくに素晴らしい山の紅葉。そして、手には地図とコンパスで方向もしっかり確認。濡れた滑る足元に気をつけながら歩く五感フル活用の一日だった。(T.Y)
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